メーカー:<
pure more>
原画:wingheart
SD原画:南浜よりこ
シナリオ:菅野鵜坂/ジェームズ伊達
【データ】(ネット認証なし、修正パッチ有り)
・ディスクレス可
・回想19枠(全て玲香)
・CG68枚(H50、SD絵5、非H13)※差分含まず
※致命的なネタバレは白文字表記にしてありますが、完全に0である保証は致しかねます。
事前知識無しで後悔する可能性も、見ないでプレイしたらもっと楽しめた可能性も有るタイプの作品なので自己責任でお願いします。
【書きなぐり】◎>○>△>×
CG:○(安定感抜群という訳ではなく、荒削りな印象だが、良好)
CV:○(キャラにとても合う演技・声だったと思います)
シチュ:◎(単純に愛情たっぷりなのもそうですが、色々と工夫されてましたね)
テキスト:◎(シナリオも凝ってましたし、細かい差異や隠されたニュアンスが染みる。こういうの好きです。)
【良かった点】
①エロス
尺は萌え系のエロ重視作品+ミドルプライスという条件で考えれば長め、卑語は無修正でオマンコ、オチンチン、おまんこ、おちんちん等々、連打は余りしないけど登場する回数は多い方。
アへ顔は作品の雰囲気的にも当然無し、CG差分は20枚付近とかなり頑張っている。
アナルモザイク無し、他モザイクに関しては標準かな。
最初は唯のレッスンだった、でも次第に本当の彼氏彼女がするセックスに変わっていく、そしてお互いがお互いを素直に求め合う様に。
中身で言えば玲香が主導権を握るHシーンは序盤と一部くらいで、主人公を好きになって以降は殆どが対等か逆に主人公がノリノリで責めたりもするのが意外でしたね。
オネダリしてくる怜香はとても可愛いですよ?だからこそ時々入るドSなシーンも映えた様に感じます。
周囲から意識されなくしたり、バリア的なモノを発生させる未来の秘密道具で見られても安心!w
正直、変態チックなプレイもあるしこの系統では濃いんじゃないかな。実用にも十分耐えられると思う。
メイドコスHだとご主人様呼びだったので実に管理人得だった。
特筆すべきは「
全シーンがCG複数枚使用」であることだろう。
内訳は(2枚:8シーン、3枚:10シーン、4枚:1シーン)となっている。
2枚より3枚の方が多いし、一番多く枚数を割いてたのが初体験だったのも拘りを感じますね。
勿論、その3枚のシーンを2枚にすればシーン数増やせた。という意見も有るだろう、実際そう感想に書いた事もある。
だが「プレイ中にHシーン少ないな」と思わせないのなら、この方式は正解と言う他ない。
②ヒロイン
単独ヒロインモノである以上、玲香を気に入るか否かが全て。
妙にクセになる喋り方も特徴的ですし、管理人は体験版以上に好きになりました、とても素敵な女性です。
こんな彼女だったら、自然と努力するし、自分のことより彼女のことを最優先に考えちゃうだろうな。
誕生日を自分から言い出せなかったり、主人公が他の女の子に告白されたのに断った時の嬉しそうな顔とか萌えポイントが沢山あって嬉しかった。
玲香「私だって仕事なんだから」→玲香「宗太♪大好き!」に段々と変化していく。
最初はタブレット(マニュアル)を見ながらの生活だった、でも何時の頃からか殆ど出さなくなっていく。
「ご褒美をあげる」から「ご褒美が欲しいな」になっていく。
玲香「この契約期間の間に宋太が自慢できることを2人で見つけましょ」
そう、
2人一緒に頑張る、これがこの作品のキーワードのひとつ。
もし「私が彼氏としての何たるかを教えてあげるわ!」というノリだったら、ここまで気に入る事は無かっただろう。
玲香はトレーナー初仕事、勿論彼女になるのは初めて。主人公も彼氏になるのは初めて。
そんな初々しい2名が二人三脚で歩んで行く姿は美しいですね、
是非、玲香の主人公に対する態度や台詞の微妙な変化を楽しんで頂きたいです、きっと玲香のことがもっと好きになるはず!
③選択肢
ゲームフルコンプまでに出現する選択肢の数(3択)は、射精箇所選択を除外しても約40個。
これはミドルプライスとしてはかなり多い部類だと思う、っていうかフルプライスでもこれより少ない方が多いかもしれない。
そして一定以上の回数だと物語を進めるうえで煩わしいと感じるポイントでもある。
だがこのゲームはそうじゃない。
玲香が問題として提示する形式である為、「
ハズレ選択肢の場合でもやり取りが楽しめる」ことが重要。
コレがある為に、「ゲームを進めるのは正解の選択肢でも、あえてハズレも選びたくなる」所が他と違う部分。
実際に管理人は全ての選択肢で全ての解答を試しました、怜香の駄目だしや恥らう姿とか見たかったしね!
この様に正解じゃない選択肢を選んだ時の流れや選択肢自体の意味も重要だと思うんですよ。
体験版の感想で、セーブスロットが足りなくならない限り、何個あっても苦にならないと書いたが、その通りでしたね。
④ストーリー(※超ネタバレ)
これが一番の見所。やられたな、そうくるか。強制BADに突入した時に感じたことです。
ぶっちゃけてしまえば、単純にひたすらイチャラブして結婚ENDだと思っていたので衝撃でしたね。
~ここから~
実は1周目は強制BADとなり、怜香は未来に連れ戻され主人公は記憶を消去されて今までの生活に戻ります。
でも未来に連れ戻された怜香から主人公のPCにメールが届いていて・・・?でエンディング、タイトル画面に。
タイトル画面も実は変化して、部屋のPCに届いているメールをクリックすれば2周目開始と凝っています。
此処で怜香が主人公に宛てたメールの内容を見てみましょう。
「宗太へ。初めましてが正しいんだよね?
今でも宗太の事が大好きです。
もしもまた会う事が出来たのなら、その時は宜しくお願いします。
そして、必ず私達の素敵な未来を取り返してみせます。」
そう、彼女は再び時空を超えて宗太と始めて出会ったあの日に戻ってきたのです今度こそ幸せを掴み取るために。
そして訪れる宗太との彼氏レッスンの日々、一見すると同じイベントの繰り返し、だが1周目との違いが段々と垣間見えてくるのです。
今度こそ!のリベンジに燃えている彼女は、1周目で得た情報や展開を当然熟知していますよね?
1周目での自分達の失敗的なエピソードは回避して、逆に出来なかった事やイベントは達成できる様に自然に振る舞いつつ誘導しているんですよねー。実に上手い手法だと思います。
台詞の節々から1周目のデータの蓄積を感じられて、頑張れ怜香!と応援したくなりました。
実は怜香が質問するテーマも1周目と2周目では微妙に違う。
選択肢の内容も1周目より具体的な内容に変化している、当然ながら正解したときのリアクションも大きい。
そして1周目では無かった質問もちゃんと用意されている拘りっぷりだ。
勿論鑑賞出来るHシーンも被り無しという細やかな気配り。
「同じイベントなら同じテキストでしょ?」と侮るなかれ、ヒロインの反応や対応、結果が違ってたりします。
Hシーンが挿入されるタイミングやイベント発生の日時も微妙に変わってたりすることも。
○違う経過
・主人公の怪我
1周目は過度な練習で怪我してしまいますが、2周目はしっかり回避。
・キス
1周目は1回だけでその後初体験、
2周目は大人のキスレッスン後に初体験(しかも今度はタブレットを必要とせずにちゃんとレクチャー出来てる)
○違う反応や追加テキスト
・転寝している怜香に毛布をかけてあげる→
1周目「まあまあかな・・・私も頑張らないと」
2周目「やっぱり、優しいんじゃない、そこだけは自慢してもいいと思うんだけどな」
・「あーん♪」のしあいっこイベント
・ジョッキで間接キッス?なイベント
○1周目では無かったイベント
・一緒に水着購入
・温泉地でデート
・夏祭り後の会話(1周目は殆どナシ、2周目はCGつきでじっくり)
勿論他にも沢山ある。見逃す可能性があるくらい細かな差異もあるので、作品の全てを楽しむ為にも1周目からじっくりプレイをオススメしたい。違いを見つける度に、嬉しくて充実感を得られるはずだ。
中でも重要なのが以下の2つ。
・海でのデート
到着時の第一声
1周目「絶好の行楽日和ね」
2周目「着いたーーーーーーーーー!」
このテンションの高さであるw
結論から言えば1周目も2周目も怜香が溺れかけてしまうのですが、2周目では準備体操を行う等、「この結果を起こさせたくない、回避したい」という怜香の強い意思が感じられるイベント。
海でのデート自体を回避しなかったのは、1周目で彼女自身の口から「宗太の事を意識したきっかけ」との台詞があるのでどうしても外せなかったんでしょうね。
・笹川さんによる主人公への告白イベント
不安要素は減らしておきたい怜香は、その前段階である「お手伝いの依頼」の時点でフラグをヘシ折ります。
直前の会話で出てくる選択肢によって「夏休みに彼女(怜香)が彼氏に望むこと=ずっと一緒に居ること」とさりげなくアピールする事によって、主人公に手伝いを断らせるという高度な誘導テクニック。恋する女性は強しw
さてこうした怜香の努力によって主人公の成長速度も違ってきます。
1周目では怜香に「もうすぐ夏休みよね?・・・夏休みよね!?(色々出来る事があるでしょう!」と念押しされていたのに、2周目では「もうすぐ夏休みだね!」とハモってみたりと。
明確に「好き」を自覚するタイミングもとても早くなっていますし、2周目は1周目の消されたイベントの変わりに恋人同士のイベントが盛り込まれているのでイチャラブ具合も急上昇。最後に控える大一番の為にゆっくり確実に愛を育てていきます。
1周目で始めてお互いが愛の告白をした日時とほぼ同じタイミングで2周目ではデートによって今までを振り返り愛の再確認をする、このアドバンテージが彼女の頑張りの成果です。
そして迎える最後の最後の大一番。
この大一番に関する一連の流れは通常とは違い1日刻みで進行するので、ドキドキを持続させてくれました。
1周目の悲劇を乗り越え、怜香は既に覚悟が決まってるから、宗太との別れについて悩む場面が皆無。
その結果揉めてしまうことも無く、主人公に打ち明けて一緒に対策したり、回避行動開始が早くなったりする。
怜香「もう、私は迷わない」
怜香「今度こそ・・・絶対に」
怜香「でも・・・私は宗太とずっと一緒に居たいから」
怜香「宗太、私宗太とずっと一緒に居られるように頑張るから」
言うのは簡単、でも彼女の決意の裏には並々ならぬ覚悟がありました。
自らが発言した様に今まで血反吐を吐く苦労をしてまで着いた職業、未来世界での生活や友達や両親を捨てて(永遠に未来に戻れなくて)でも、宗太と一緒に居たい。という覚悟が。
と同時に溢れ出る彼女の宗太に対する愛情の深さにちょっと涙が。
片方のENDの締めが1周目では迎えられなかった、直前で連れ戻されたあのイベントなのも秀逸でしたね。
・・・彼女達がどういう結末を迎えたかは貴方自身が確かめて下さい。
私からは一言「幸せになって本当に良かったね」。
おいおい、じゃあ1周目で振られた主人公はどうなんの?ってツッコミは必ず来ると思う。
それについては主人公達の会話で解答の代わりとしたい。
これで納得が出来ないのならば、残念では有るが恐らくこの作品は合わない。
主人公「つまり怜香は一度未来に連れて帰られて、再研修での時間移動をチャンスだと思い、もう一度以前トレーナーとして訪れていた時空の僕に会いにきた、それは違反でトレーナーの話は全部作り話で、ただ純粋に僕に会いたくて此処にきたと、そういうことだよね?」
怜香「そうよ」
主人公「僕をずっと好きでいてくれて有難う、こんなに怜香に愛して貰えて嬉しい」
さて<もう一度以前トレーナーとして訪れていた時空の僕に会いにきた>この部分で何かを感じないだろうか。
そう、この行動って「選択ミス等でBADを迎えて最初から、ヒロインAを攻略したからヒロインBのルートへ」と言い換えれば皆さんいつもしていること、つまりエロゲユーザーそのものなんですね。
「以前通過した物語から得た情報を元に次に行く、ゲーム性のあるものなら周回要素」、強くてニューゲームな行動も同じだ。
だから怜香はヒロインでもあるけど、ユーザーの化身でもあるんだと思う。
果たして私は怜香みたいに一途に1人のヒロインをずっと追い求めていけるんだろうか。
新作が出続ける限りそれは茨の道ではあるが、せめてお気に入り作品くらいは回想鑑賞以外もしよう。と思いました。(今でもしてるけど、それ以上にって意味で)~ここまで~
この作品は「スキップ厳禁」。
何故なら1周目をスキップすれば2周目の楽しみが半減しますし、2周目スキップは言語道断。
2周目の場合は
全テキストが未読判定なので、変化した部分もしてない部分も一緒に飛ばされちゃうのです。
怜香の行動や台詞を覚えていれば気付いてニヤニヤ出来る場面沢山あるよ!全部見ないと勿体ないよ!
そして主題歌の歌詞が実に秀逸。、プレイ前とプレイ後では違って聞こえてくると思う。
「
ずっと一緒よ、過去から未来まで。
難しすぎること考えられないよ、ただ君に言いたい、好き、好きよ、大好き。」
ハイ、もうこの2行だけでこの作品の全てが語られていますね。
そう、ムズカシイことを考えないでただ作品の世界観に浸れば良いんです。
プレイ済みの方ならこれに共感して頂けるはず!
⑤システム
透過率変更とか最低限の装備は揃っていますが、何より「何時バックログを開いても結構前まで遡れる」こと。
言い換えれば、場面ごとにバックログが消去されるタイプじゃないこと。
これ大切なんですよ、うっかり読み進めたけどもう一度聞きたい。とかそういう場合に重宝します。
【気になった点】
①エロス
フェラ系のCG自体も少ないのだが、完全に(CG上で)咥えてくれるのが1枚しかない。
また、人によってはもっと回想数が欲しくなる数値だと思う。
本編進行中に少ないと感じるかどうかはやらないと判らないことだからねー。
②シナリオ
「こいびとどうしですることぜんぶ」みたいにひたすらイチャラブじゃないと駄目。
萌えゲーにプチでもその後の仕込みであってもシリアスは必要ない!
そういうった方には残念ながら本作品は合わないだろう。
管理人がツッコミ入れるとしたら「契約彼女」という制度というかマニュアルを作成した人物は人間の心が余り無さそう。
って所ですか。
私にはトレーナー(トレーニー)を好きにならずに、レッスンを完遂する姿がどうしても浮かんで来ないからw
③主人公の友人である赤井哲ニ
余り登場しないけど、それでも好きにはなれない。
伏字塗れの台詞に、初見から怜香に向かってフルネームで呼び捨て、クソビッチ野郎発言。
淫乱ビッチ臭ぷんぷんの彼女発言、(主人公が僕はいいけど怜香の悪口はやめてというと一応謝るが)
この辺りでうぜえ・・・と思った方は印象変わらないままコンプリートを迎えるだろう。
株が上がるイベントが皆無だからどうしようもない。此処までは体験版範囲内でもあるので要チェックだ。
彼が唯一仕事をしたと言えるのは、1周目の最後に怜香からのメールを発見したことのみ。
別に居なくても殆ど物語に影響しないのなら、不快になりうるキャラは消して欲しい。
④その他
凄くどうでもいいことだが、契約期間が1年とはいえ1年間×2周ではなく、実質的には4~12月×2周である。
だから体感的にはちょっと短く感じるかもね。
【まとめ】
単独ヒロインの作品はやっぱり良いですね、二人の気持ちをより色濃く描写できて。
このジャンルで世に送り出した事に感謝したいです、フルプライスなら最高でしたがヒロイン2~5名の通常のタイプより遥かにギャンブルなので贅沢は言えません。
出来ればいつかまた単独ヒロインの作品を出して頂けると嬉しいな、願わくば好みの娘で有りますように。
複数買いしましたが、全く後悔していません、買って良かった。大満足。
体験版等、購入前に感じた「鉄板作品」というカンは正しかった、ちょっと予想とは違う展開だったけどw
イチャラブを極めた、あーん♪の達人の二人に幸あれ。
総合評価:9点
【内訳】
基本点:4点
エロへの拘り:+1点
お気に入りHシーン:+1点
単独ヒロイン:+1点(ジャンル補正
怜香:+1点
丁寧で凝ったシナリオ・ゲームの造り:+1点