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紙の上の魔法使い 感想

メーカー:<ウグイスカグラ
原画:桐葉
シナリオ:ルクル

【データ】(ネット認証なし、修正パッチ有り)※必ずあてましょう
・ディスクレス可
・回想13枠(夜子3、妃3、理央3、かなた3、クリソベリル1)
・CG80枚(夜子18、妃17、理央16、かなた16、クリソベリル6、その他7)※差分含まず

備考:内訳について
ギャラリーではキャラ別に並んでいる訳でもなく、章順に並んでいる訳でも有りません。
数え間違いと、判断が微妙なものもあるということで参考程度でお願いします。

※書いてる間中ずっとどういう結論にもっていくか迷いました・・・。
ある程度の配慮はしましたが、ナシにすると真っ白な感想文になってしまうのでネタバレは有ります。
作品への敬意を忘れず、言葉には最大限気を配ったつもりですが若干辛口な部分があることを了承下さい。
前置きが長くなりましたが、長文にお付き合い頂ける方は以下お進み下さいませ。
【書きなぐり】◎>○>△>×
CG:○(前半と後半でちょっと雰囲気が違う気もしたけど良好、好み) 
CV:○(シリアスな場面の演技が特に良かったです)
シチュ:○(特異なものはなし)
テキスト:○(特になし)


【良かった点】
①エロス
尺はシナリオ系というジャンルなので、割と短め。
但し、CGはメインヒロイン4名×2シーン+クリソベリル1シーンの合計9つのシーンで2枚使用している。
卑語は修正音云々の前に皆無、というかゼロじゃないかなあ。
アへ顔は勿論ゼロ、CG差分は大体6~8枚前後といった所か。
該当ヒロインにスポットライトが当った章で連続してHシーンが来るので、想いを積み重ねて行くプレイスタイルなら最後のHシーンが燃えるかも。

②CV
ヒロイン達が感情を誰かにぶつける場面が数多く用意されているんだけれど、迫真というか声の迫力で目を切れないというか。
物静かなキャラが崩れるほど感情を吐露したり、逆に普段良く喋るキャラなのに静かに相手と渡り合ったり・・・そういうギャップが特に良かったですね。
では各キャラ一番印象に残った台詞を。
夜子「嫌よ!絶対に出来ないわ、怖いし、辛いし、苦しいし(以下略
妃「他の男を愛するくらいなら、瑠璃への愛を抱えたまま死んでみせましょう
理央「バッドエンドなんて呼ばないで
かなた「4年前に貰えなかった返事をしてくれますか?
クリソベリル「嫌っ、止めて、消さないで嫌、嫌、嫌ああああ!
岬「お姉ちゃんこそ何を勘違いしているのかな?


③シナリオ
章仕立てでありつつも、各章が完全に独立したストーリーではなく物語はちゃんと続いていました。
真実はなるほど。と思えるものでしたし、伏線も最後の最後で回収していましたね。
納得出来る部分も、出来ない部分も混ざりあい、好みが大きく分かれる(後述します)シナリオなのは確実ですが、構成としては上々かと。
さてさて、此処でまた台詞を引用してみよう。
かなた「私が可愛い女の子じゃなかったら同じ様に助けてくれましたか?」
体験版をプレイしていてこの台詞で何か心に感じた人はいたと思う。
そしてこの感じたことは物語は最終版、夜子と妃のやりとりに凝縮されている。
妃「振られるという気持ちは本当に怖い、他人に大切なモノを奪われるのは気分が悪い
妃「恋愛というものは、清らかで、瑞々しくて、優しいものなどでは断じてありません
夜子「だけど・・・小説の恋愛はとても素敵で魅力的だった
妃「だからこそ、残酷で恐ろしいものだからこそ、その中で煌く何かが愛おしくて人は恋を忘れない
妃「辛くて、厳しくて、恐ろしいからこそ、それを乗り越えた先に真の幸せがある
小説をエロゲに言い換えて最初からもう一度読むと、そんな気がしてきます。
それが是か否か、自分=夜子とみれるかどうかはユーザーの判断に委ねるとして一番言いたいのはこのことだったんじゃないかなーって思うのです。


【気になった点】
①エロス
もう御馴染みですね「卑語皆無」であること。
まあそういったモノを求めるゲームでは有りませんが、このブログ(管理人)の信条なのでスルーは有り得ません。


②シナリオ
○「エロゲー」としての紙の上の魔法使い
「良く出来た小説に無駄なシーンはない」、プレイした方なら場面が思い浮かぶであろうこの言葉。
確かにその通りかもしれません、ですがそれは文字のみ(+僅かな挿絵)で構成される媒体ならではのもの。
ですが、この作品の媒体はCG・ボイス・効果音・音楽などが絡み合う「エロゲー」である。
そういう視点にたつとちょっと足りないものが見えてくる、それは「演出」。

まずは「ヒロインの魅力を提示したり、感情移入出来るイベント」。
後述するがシナリオはとてもヘビーなものなのである、そういうシナリオで大切なのは「落差」だと私は思う。
普段の生活、幸せだった日々の光があるからこそ、漆黒の闇が映えるのだ。
そういうイベントがゼロではなかったし、仮に削ぎ落としてもストーリー上の影響は殆どない、それは事実。
だが、そういうある種「無駄なシーン」こそがエロゲーの真骨頂だと管理人は考えます。
具体例としては「ヒロイン全員集合」のCGがないことですね。
岬や奏、クリソベリルは難しそうですし、汀・・・はまあ除外するとして、夜子、妃、かなた、理央の勢揃いしたCGは欲しかった。
物語が進むにしたがって差分で変化をつければ、演出として効果絶大だったはず。
また、「エンドロールがないこと」も言わなければなりません。
曲はついてなくても構いませんし、CGとスタッフのお名前を流すだけでも十分です。
余韻に浸る為にも必要なものだったのでは・・・と。
勿論、新規ブランドさんですし制作上で諸々の事情があったと思います、それでも思った事に対しては正直に。


○紙の上の魔法使いという物語
大きく好みが分かれると思うのが「登場人物が死ぬ」タイプの物語であること。
後々復活(紙の上の存在として)するのだが、この時点で重い。
=致命的なネタバレの為全部白文字=
理央は最初から人間ではなく紙の上の存在、また主人公&妃がこの世から消え去る(紙の上の存在として復活している)のは第3章~4章の間。
その原因は夜子でもあるし闇子でもある。だが、それは根本的な問題ではない。
また妃が死んだ事実で何かが壊れてしまい、主人公が自決の道を選ぶのは至極もっともだ。
その点については何ら異論はない。
だが、その事実をユーザーが知る(具体的に提示される)のはもっと後、物語最終盤になってからである。
そこで、気になってくるのが「その後の物語の捉え方」だ。
文字通り紙の上の存在となった主人公と妃(と理央)。
そういう仲であることが最初から提示されていた妃、全て分かっていた理央は兎も角として、紙の上の存在となって以降に結ばれる夜子・かなたの2人に対して疑問が生じる。
それは「オリジナルじゃない相手を愛せるのか?」ということ。
文字通り本なので紙の上の存在である主人公の行動を縛れる設定を書き足す事が出来るが、そんな設定は殆どないことは最初に述べておこう。
オリジナルじゃない主人公、それはある意味クローンみたいな存在なのではないだろうか。
別にクローンを相手にした愛情もあるだろうからそこに着目している訳ではないんだ。
「オリジナルじゃないのは分かっている。でも好きなの!」といった悩み苦しんだ末の結論かどうか。そこを問いたい。
オリジナルの主人公じゃ取らないであろう行動や、しないであろう考え方といった、オリジナルとは違う独自の魅力が提示され、そこに惚れたのであれば納得出来る。
だが、過去回想が沢山盛り込まれているし、事実に対して衝撃は受けつつも、その主人公を愛せるのかを悩んだ様子がない。
その為、オリジナル主人公と紙の上の存在である主人公がごく自然に、自動的に=になっている。
かなた:貴女の恋物語はオリジナル主人公が自殺してしまった時点でもう失恋してしまっていたのかもしれない。
夜子:オリジナル主人公が自殺したことを知った時、その事実を後々認識した時、告白せずとも失恋は決まっていたのかもしれない。
仮に最後の告白で夜子の事を受け入れてくれたとしても、それでいいのでしょうか。
また、夜子を諭す役割が紙の上の存在である主人公にも与えられているのがちょっと違和感。
自決という道を選んだ(からこそ言えるのかもしれないが)人間だと説得力に欠ける気がする。
物語の登場人物的には=という認識で間違いないが、見ている側(管理人)としては=であると100%頷けない。
残せるものは確かにあるのかもしれない。想いは受け継がれるのかもしれない。
だが、突き詰めていけば人間は死んでしまったら個人としての生はそこで終わってしまう。
私の考え方の善悪や是否はともかく、だからこそ「生死」という題材をテーマにする時は尊く、儚く、見る者の感動を誘うのではないだろうか。
もし、あなたが大切な人を亡くした時、紙の上の存在として目の前に現れたら・・・あなたは生前の時と変わらぬ対応をして、愛情を注げますか?

=ここまで=
この問いにイエスなら上で長々と述べた点に疑問を持つことはないだろう。
だが、もしノーであるのなら引っかかってしまう可能性はある。


○クリソベリルというキャラ
悲しい過去があることも、夜子の為を思ってやったことも分かる。
だが、それでも、自分の意志で主人公達に対して行った事は許してはいけないと思う。
一番引っかかったのは、彼女が生存するルートが公式設定でTRUEEND(=正史)だからだ。
勧善懲悪という訳ではないが、キチンと報いは受けさて欲しかった。(幸せにはしないで欲しかった、好きな人ごめんね)
それが駄目ならせめてTRUEENDと夜子ENDを入れ替えて欲しかった。
それまでにしてきたこと、された事を考えれば私は弱くて醜い人間なので作品の登場人物たちの様に彼女を許すことは絶対に出来ない
そして、そう思うユーザーが居ることは製作者さんも分かっていたと思う。
プレイした方はお分かりですよね「予約特典の物語」です。
蛍という猫(妃がご主人様)の視点での物語ですが、クリソベリルに対して、唯一、静かな怒りを秘めた冷めた視点で見ています。
僕は生涯お前を許さない
お前さえ居なければご主人様が居なくなる事もなかった
お前のせいで、お前のせいで、お前が余計なことをしたから
なあなあのハッピーエンドに甘えて、これから幸せになれるなんて思うなよ
少なくとも僕だけはお前を呪い続けてやるんだから
かなり過激な言葉ではあるが、少なからず共感出来た。
他作品ですが「恋愛リベンジ」のほのかちゃんを思い出しました、そう、許すことが必ずしも是ではないはず。
クリソベリルを許せた人は、違う視点に立てるだろうし、許せなかった人はその通りだ!と確認する事が出来る。
可能なら予約特典の物語まで見て欲しい。それを含めてこの作品だ。


【まとめ】
色々と辛口寄りの文章ですが、満足はしています。これは嘘偽りのない事実。
ただ、私の様な弱い人間ではダメージの大きいヘビーなシナリオだったことも事実。
そして、こういうトリッキーなシナリオ作品の発売数が少ないのも事実。
激甘な萌えゲー以外で、一気に読み進められなかったのは本当に久しぶりです。
そういう意味でのMVPは本城岬ちゃんです。彼女が純粋に癒してくれなかったら完走出来たかどうか。
正直、明日点数をつけたら、文章を書いたら何かが変わっているかもしれません。
それくらい書いた時の精神状態が影響すると思う。そういう意味で今回はあえて点数はつけません。
これからプレイされる方、または購入を検討している方、覚悟をもって挑んで下さい。


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